JCSS校正証明書に「校正圧力値の拡張不確かさ(包含係数k=2)は圧力値の0.060%又は6kPaのうち大きいほうの値である」と記載されていますが、これはどのような意味ですか?

実際に発行されるJCSS校正証明書を例にご説明いたします。

不確かさは「校正値」に対して付される信頼性に係わる値です。
最大圧力50MPaの重錘形圧力天びんを10,20,30,40,50MPaのポイントで校正を行い、それぞれのポイントでの「校正圧力値」を算出するとします。

各校正ポイントに該当する不確かさは以下のとおりになります。

10MPa時 : 10 × 0.060(%) = 6kPa = 6kPa ・・・→不確かさは 6kPa
30MPa時 : 30 × 0.060(%) = 18kPa = 18kPa ・・・→不確かさは18kPa
この校正は10~50MPaの範囲で行いましたので、この範囲のみであれば「不確かさは圧力値の0.060%」だけで考えていただいて結構です。
もしお客様が10MPa以下のレンジでもご使用されるという場合には「不確かさは圧力値の0.060(%)」とするとどこまでも値が小さくなってしまい、保証しきれなくなってしまいます。

そこで上記のように「圧力値の0.060%又は6kPaのうち大きい方」という評価をすると、10MPa以下(例えば5MPa)でご使用された際の不確かさは

5MPa時 : 5 × 0.060(%) = 3kPa < 6kPa ・・・→不確かさは 6kPa
となり、校正できちんと評価した不確かさの範囲を超えることなく、かつ低レンジでも安心してお使いいただけるようになります。
このような観点から、当社では重錘形圧力天びんに対する不確かさで「校正圧力値の拡張不確かさ(包含係数k=2)は、圧力値の○%又は○kPa」という評価をさせていただいております。
なお、デジタル圧力計や機械式圧力計などで製品自体が「○%F.S.」として作成されている器物については、その特性に合わせて「最大圧力に対して○%」という評価をいたします。

詳しくは当社営業所、サービスステーションへお問い合わせください。
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